数学月間の会

SGK通信(2012-13)数学月間懇話会の講演資料

-いただいた数学月間懇話会の講演資料をここに掲載します-
以下の文章は、レジメのつもりで谷が作成したものです。
不正確な段は、ご容赦ください。(↓文責:谷克彦)

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(1)細矢治夫氏、講演資料pdfs-hosoya.pdf
常用対数は高校数学ではアドバンストコースで、対数計算はやらない。これではpHの定義もできない。数学カリキュラムは他教科と連携に大いに係っている。

飽和炭化水素(アルカン)類の炭素の骨組みに対して、トポロジカルIndexの概念を1971年に細矢が定義した。これは、骨格中で、互いに隣接しない辺を選ぶとり方の数の和である。5個の炭素原子が1列に並んだ骨格を持つNペンタン分子を例にとれば、トポロジカルIndexは、Z=p(G,0)+p(G,1)+p(G,2)=1+4+3=8となる。ここで、Gと書いたのは、5つの頂点と4つの辺からなるグラフ、p(G,k)は、グラフG中に、隣り合わないようにk個の辺を選ぶ可能な数である。同じ5個の炭素骨格でも、グラフの型が異なる異性体が5つほどあるが、これらのトポロジカルIndexを求め、沸点温度との相関を見ると、見事に正の相関がある。
閉路グラフに対しても、同様にトポロジカルIndexが定義できる。毛虫グラフに対しても同様である。、
ベンゼン環が連なってできた芳香族(各炭素原子からは4本の結合手がある)で、2重結合の配置の異なる型をケクレ数というが、ケクレ数の大きい構造の方が、共鳴構造が多いので安定になる。トポロジカルIndexも分子の安定性の良い指標になる。さらに、トポロジカルIndexは、整数論と密接な関係がある。フィボナッチ数が出てきたり、連分多項式と毛虫グラフのトポロジカルIndexが等価であったりする。
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(2)石黒真木夫氏、講演資料pdfs-ishiguro.pdf
スタッツという必勝じゃんけんソフトを作った。過去のイベント(5万回ほどのじゃんけんの回数がある)で、子供と対戦させ[30点先取した方が勝ち(じゃんけんの回数にすると、1回のゲームで約100回)とするゲーム]、勝数は負数の約2倍の結果となった。スタッツが出す手を、2回前までのデータを踏まえ決定する。過去2回のデータは、3×3=9個のどれかになり、子供の出した手のデータを1列目に、スタッツの出した手のデータを1行目に表示する。スタッツの今度出す手は、この9×9のマップ内に表示される。これを”じゃんけんマップ”という。スタッツの出すべき手の確率は、勝ちの期待値を最大化するように決めるべきだが。この戦略を読まれてしまっては、逆に負けとなるので、実際にはランダム化との混合戦略をとる。自分の手、相手の手、勝/負の結果など、何をどこまでを考慮して推定するかにより、種々のモデル(スタッツでは14種)が作れる。これらのモデルは対戦する子供の思考過程の表現であり、どのモデルが最もよく合うか知ることは興味深い。この評価関数はAICによった。学生に”じゃんけんソフト”を作らせることは、統計の理解につながり、非常に教育的である。どのソフトが強いか[ソフトと人間の対戦で、勝率が高いのはどれか]を、競わせると面白いだろう。

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SGK通信(2012-12)数学月間懇話会の報告

●今年の数学月間懇話会(7/22)は、50人を越す参加者を得て実施されました。
ご参加の皆様、会場のお世話いただいた河野俊丈先生、岡本和夫先生に、御礼申し上げます。
当日の様子は以下の写真をご覧ください。

●講演会概要は、次号SGK通信(2012-13)に掲載。

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SGK通信(2012-11)数学月間の栞

「数学月間」の栞   片瀬 豊(H24.9.3)
日本の数学月間は来年(2013・H24)で8年目を迎えます。更なる継続・蓄積・発展を願いたいものです。数学月間の基本的な筋道は「数学と社会の架け橋」で両者の交流を密にして相互の発展を期待したいところです。学習意欲減退が懸念された数学教育の現場で、挽回の出前授業のアンケートに興味・関心のキーワードが「日常生活に役立つ数学」であった点に嘱目したい。
数学月間(7/22~8/22)のイヴェントをどしどし発案して参画頂きたい。  
そのTPOを数学月間の会/SGK:谷 克彦
sgktani@gmail.com にご連絡下さい。
今まで画一的な仕様があるわけではなく、それぞれ独自の発想で進められて来た。個々の大学、研究所、グループ等で登場して来たイヴェントの品質要素を層別して見易くした。新しく発案する、或いは評価する目安としてご覧頂きたい。 

  Ⅰ 心意気     A 数学は万学に通じる
             B 社会は数学を待っている
             C  数学教育の再生強化
             D 数学と社会の相互交流
  Ⅱ 姿。形   α 数学手法を諸科学が活用する(横幹連合)
          β 数学と企業の連携したい問題を提言する(九大/文科省)
          γ 数学を社会各方面に教える(日本数学協会)
          δ 数学者が社会の問題に立ち向かって見せる(米国MAM)
 
Ⅲ 対象者   1 小中学生・先生 - - - 鳥取大、リスーピア
           2 高校生・先生 - - - - 阪大、数学学習の栞
           3 大学生・先生 - - - - 上智大、米国MAM
                    4 社会人・企業人 - - - 東大駒場、お茶大、米国MAM
 
Ⅳ 着眼点   a (数学)×(社会)
           b {(数学)+(社会)}×(教育)
           c (数学)×(教育)
           d (社会)×(教育)+(数学)


 米国では社会の各階層にモニターが居て、毎年の行事を批評する意見が多く集まって次の改善に資する様になっている。この辺はデミング経営哲学(Quality Management)を垣間見る気がする。日本でも評価やご意見をお寄せ頂きたい。

 

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SGK通信(2012-10)とっとりサイエンスワールド

とっとりサイエンスワールド2012

(鳥取県,鳥取数学教育会:主催.県教育委員会,各市教育委員会:後援)

今年も,「とっとりサイエンスワールド2012」が開催されています.
8/26(日)は米子,9/2(日)は鳥取,9/23(日)は倉吉です.
先週の米子では,750人の参加者がありました.以下のサイトで、万華鏡の動画なども見えます.
http://www.rs.tottori-u.ac.jp/mathedu/tsw2011/tsw2012/Welcome.html
子供達が,”美しい数学・楽しい算数”を積極的に楽しんでいる様子が見えます.
すっかり市民イベントとして定着し,子供も大人も,高校生・大学生ボランティアも教師も活気がありました.
(注)とっとりサイエンスワールドは2007年にスタートしました.SGK通信(2011-09)を参照ください.

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SGK通信(2012-09)お茶の水女子大学・夏期数学講習会

数学月間連携行事のご案内です.
 
夏期数学講習会(第27回)
「20世紀に花開いた確率論」―現代確率論に親しむ
 志賀 徳造 氏 (東京工業大学名誉教授)
 
日時:
2012年7月28日(土)12:30(受付)  13:00〜16:30
2012年7月29日(日) 9:00(受付)   9:30〜15:00 
場所:
お茶の水女子大学理学部3号館7階701号室
3,000円(含テキスト代)
詳細は,
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SGK通信(2012-08)上智大学数理科学講演会

上智大学数理科学講演会 「数学と金融〜統計的データ解析の視点から〜」semi120728.pdf

上智大学理工学部情報理工学科/同大学院理工学研究科数学領域
(日本数学協会「数学月間」参加プログラム)

日時:2012 年 7 月 28 日(土)13 : 30-17 : 00
会場:上智大学四谷キャンパス9号館353教室
−プログラム−−
 
13:30-15:00
加滕剛(上智大学理工学部准教授)
世の中を調べるときに活躍する数学
ベクトルと内積を学ぶとき,「これが何の役に立つの?」と思う高校生は多いそうです.行列の固有値と固有ベクトルを学ぶとき,「これが何の役に立つの?」と思う大学生も多いそうです.初 学者にとって数学の視点だけではなかなかピンとこないこれらの概念も,統計的データ解析の視点から眺めると,実社会にしっかりと役に立っていることがわかります.この講演は2番目の講演への入 門編として,犯罪者の心理分析や好みの類似性を活用した相性診断などを例に挙げて,統計的データ 解析において数学が果たす役割をご紹介します.
 
15:30-17:00 
青木義充(株式会社QUICK)
金融データ解析の実践〜リスク計測の実例〜最近,ニュースなどで金融の「リスク」について耳にする機会が増えてきました.「リスク」 は一般的な用語ですから,まったく理解できないという方はいらっしゃらないでしょう.しかし,具体的な内容となると,意外と難しいものではないでしょうか?この講演では,数式を用いて「リスク」 を具体的に定義します.また,統計的データ解析の立場から,基本的な金融データの扱い方をはじめ とし,統計モデルを通じた少し高度なデータの眺め方を紹介します.
 
連絡先:上智大学理工学部情報理工学科筱田健一
(Tel: 03-3238-3466, Email: shinoda@sophia.ac.jp)
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SGK通信(2012-07)数学カフェ関連書籍紹介2件

(1)いまを生きるための教室,美への渇き,角川文庫,(5月25日刊)
 
国語,体育,理科,道徳,数学,英語,社会の章に別れ,エッセイで構成されています.数学は,小林昭七氏の担当です.
定理の本質を理解させるような美しい証明について語られます.新しい概念を持ち込み,本質が捉えられるようになった証明は美しい.
ある定理を証明するために導入した概念が,画期的な数学の発展を導きます.
今まで美しい絵だと思っていたフェルマーの最終定理は,谷山・志村予想というずっと大きい絵の一部に過ぎない・・・
この文庫本のシリーズは,第1巻「死を想え」がすでに刊行されており,数学は野崎昭弘氏が執筆しています.
 
(2)なぜ!こんなに数学は面白いのか.−数学カフェへようこそー
織田孝幸・編著.技術評論社,(7月6日刊)
 
カフェ・デ・サイエンス(武田計測先端知財団)は,もう40回も続いています.専門家と一般の人が普通の言葉(専門用語でなく)で話し合うのが特徴で,何回か参加しましたが,各回興味深いテーマで実施されます.
本になったのは,2006年の数学について行ったシリーズのものです.
 

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SGK通信(2012-06)数学月間懇話会のお知らせ

数学月間懇話会(第8回)s-2012.pdf
 
日時:7月22日(日),14:00-17:00
場所:東大駒場キャンパス,数理科学研究科棟,056号室

(プログラム)

1.14:10〜15:10
「数理化学の探検−化学の中の数学の世界」
細矢治夫(お茶の水女子大,名誉教授)
物理数学というものがあります。もちろん物理数学は化学でも活躍します。
では、化学数学というのは何をどう扱うのでしょうか。

休息(10分)

2.15:20〜16:20
「じゃんけんの必勝法を論じて、あわせて統計的思考に及ぶ」
石黒真木夫(統計数理研究所,名誉教授)
世界は不確実なことだらけです.後出しはできないんです.
だから,確率や統計的思考を正しく学びましょう.

休息(10分)

3.16:30〜17:00
数学月間について意見交換
日・米・英の数学月間は,どのような活動でしょうか.
 
(連絡先)SGK世話人:谷克彦 sgktani@gmail.com
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SGK通信(2012-05)「頭がしびれるテレビ」情報

4月からはじまった「頭がしびれるテレビ」(NHK総合)という数学のシリーズをご覧になった方も多いでしょう.
4月9日の放送は「じゃんけん最強ソフトとランダム性」の興味深い話題でした.
来る7月22日の数学月間懇話会にも,じゃんけんソフト開発を行った
石黒真木夫氏(統計数理研,名誉教授)をお招きして,
じゃんけん必勝法の周辺の統計的手法の話を伺います.ご期待ください.
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2012年の数学月間懇話会は,例年通り7月22日に午後に,東大駒場,数理科学研究科棟でで実施します.
内容スケジュールが決まりしだいSKG通信でアナウンス致します.
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SGK通信(2012-04)日米数学月間物語_片瀬豊

米国MAMの広報に毎年出るプレスレリ−ス(新聞公表)のサンプル(見本)で,本2012年にはMAMの仕組みづくりが述べられている。
数学系大学或いは研究機関が数学月間に参加を表明し,行事の日時場所を公表する。
数学関連4団体からなるJPBM/数学連結戦略会議は2012年のテ−マとして「数学、統計学とデ−タ−洪水」を選んだ。

数学月間MAMは毎年4月に開かれて、数学の公共的理解と評価を上げる様に作り出される。全国数学週間を確立したレ−ガン大統領が宣言を出した年1986年に始まった。MAMの活動は一般的に地区,州、地域のカレッジ、大学学部、公共情報研究機関、学生グル−プ、数学関連の組織や数学同好会によって構成される。

歴史的な流れと社会の現状を眺める時、わが国の数学月間(7/22〜8/22)は
   (1) ゆとり教育改訂のアフタ−ケア−   (2) 社会と数学の連携強化     (3) 数学の社会的評価向上
に着目して行事を展開する事が望ましい。 
数学系大学や研究機関、数学関連団体への伝播を期待致したい。        片瀬豊(SGK発起人・代表) 
日米数学月間物語⇒ここkatase_mamsg.pdf

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SGK通信(2012-03)新しい統計学の課題

統計学は,品質管理,医療・創薬・臨床,経済金融,統計調査,データマイニングなどの分野に係わり,現在ますます必要性が増していいます.
 
大規模データ(データの洪水)といっても,
被験者1人から多数の特正データpが採集できるが,被験者の数nは少ない[n<<p]という状態で,推論を行わなければならない.「新NP 問題」
つまり,大規模データ解析において、データがむしろ不足している状況で,このような状況に対応できる統計的推論の新手法が必要である.
私達は,データからモデル(仕組み)を推定するわけだが,このサイバー世界のモデルは,データをよく説明したとしても,真実であるがどうか誰もわからない.
<昨年の「数学月間懇話会」の北川源四郎氏の講演資料を参照ください>
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?統計学(数学自体)の問題と
?確率統計(確率に支配される不確かな世界)になれていない(yes/noのデジタル思考に毒されている)ために,都合の良い解釈がなされているという問題
とがあると思います.
数学者は関心を持たな過ぎます.特に,数学月間では,後者に対する啓蒙が重要でしょう.
ご意見をお寄せください:連絡先(谷)sgktani@gmail.com
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SGK通信(2012-02)数学月間の真意・要諦_片瀬豊

米国MAM2012のテ−マは「数学、統計学とデ−タ−の洪水」で広報の中に大学生とその先生方を対象とする情報源が並んでいます。数学後継者の着眼点を育成する心が見えます。(添付資料) 米国MAM2011のテ−マ「複雑系を解き明かす」(添付資料)には数学月間MAMの目標は数学の公共的理解と評価を上げる事だと書かれています。
このところわが国の現状はなかなか問題が多く政、産、学の前向きな連携が求められるところです。数学月間提言が一因と見る「ゆとり教育」の改訂、数学重視科学技術基本法の進展を機に数学教育の生産性向上、数学と社会連携の景色が醸成される様願いたいものです。数学月間(7/22〜8/22)のコンセプト(添付資料)の普及前進を応援して下さい。  片瀬豊(SGK発起人・代表)


「数学月間」の真意・要諦katase1.pdf

MAM2011複雑系を解き明かすkatase2.pdf

MAM2012数学,統計学とデータ洪水katase3.pdf

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SGK通信(2012-01)今年の「数学月間懇話会」

本年も例年通り数学月間の初日(7月22日)に数学月間懇話会を開催致します.本年は日曜日にあたりますので,普段出席できない方々のご参加もお待ちします.

私達は,数学や科学は,yes/noで答えられるはずと思い込んでいます.
しかし,真実はyesでもnoでもないものを,yes/noで答えろと無理な要求をします.
このようなグレーゾーンの扱いを,自分達の都合の良いように報道する大手メディアの数学リテラシーの欠如を憂います.不確かなものを正しく判断しなければなりません.
”0.5%発癌率が上るとは,何人のがん患者が出るのでしょうか?それは安全/危険のデジタルの区分ができますか?”
数学月間が今ほど必要な時代はありません.

今年の米国MAMのテーマは,「数学、統計学とデ−タ−の洪水」と聞きます.
私達は,昨年の数学月間懇話会で,「サイバー世界のモデリング」北川源四郎先生,「量子コンピューティング」荒井隆先生,「複雑系(送電網や原発)のべき乗則」谷克彦,などを取り上げました.これらは,今年の米国MAMのコンセプトによく合致しておりました.今年の数学月間懇話会では,講演の他に,不確かな世界(グレーゾ−ン)の数学リテラシー」について話し合いも持ちたいと考えております.
数学月間の企画への,お考えを何なりとSGK通信にお寄せください.

連絡先:SGK世話人(谷) sgktani@gmail.com

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SGK通信(2011-10)とっとりサイエンスワールド(中部会場)

とっとりサイエンスワールド2011〜美しい数学・楽しい算数
(主催:鳥取県,鳥取県数学教育会)

中部地区(倉吉)が9月25日に実施されました.800人を超える来場者がありました.
高・大生のボランティア34人を含む,134人のスタッフ(小・中学校の先生が中心)が,様々なブースを担当しました.
とっとりサイエンスワールドの歴史は,前号のSGK通信(2011-09)をご覧ください.
発足時は,東部だけでしたが,すぐに西部と東部で実施するようになり,
4年目からは,西部,東部,中部の3会場に広がりました.
すっかり地域に定着したイベントになりました.
 
小さい子供が,数学・算数を恐れず,自分から楽しんでいます.
特に,次代を担う,高校生,短大生,大学生のボランティアが,ブースで活躍しており,
数学文化の市民への浸透のさまに感動します.
 
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SGK通信(2011-09)とっとりサイエンスワールド

とっとりサイエンスワールド2011(主催:鳥取県,鳥取県数学教育会)
西部地区8月21日(米子),東部地区8月28日(鳥取)で実施されました.
中部地区は,9月25日(倉吉)で実施予定です.
西部では,雨模様の午前中でしたが,550人の参加者,東部では,晴天に恵まれ1256人の参加者がありました.

とっとりサイエンスワールドは,鳥取大学,地域学部,矢部敏昭教授(現副学長)が中心になって2007年にスタートし,
今年で5回目です.すっかり地域に定着したイベントになりました.
地域教育委員会の後援,小中学校の先生方が活動の中心になっています.中高生160人のボランティアの参加もあります.
こうして,子供,両親から老人まで,集まるフェスティバルに発展しました.
小さい子供が,進んで計算力検定に参加したり,問題に挑戦してスタンプを集めています.
数学・算数を恐れず,自分から楽しんでいる雰囲気をみると将来がたのもしい.
ボランティア側も子供達といっしょに数学・算数に親しむことで,数学感覚がいっそう身につきます.
28種ものワークショップ・ブースがあり,立体模型(小簗),万華鏡をつくろう(谷)も参加しています.
まさに地域全体の数学祭りの感があり,「数学月間」の原点を見る思いです.
 
参考:とっとりサイエンスワールド2011: http://www.tottori-u.ac.jp/dd.aspx?itemid=7211
                                                                         
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SGK通信(2011-08)大阪大学.高校生のための公開講座報告

高校生のための公開講座 現代数学への冒険
日時●平成23年8月9日(火)14:00〜15:50
主催●大阪大学理学部
対象●主として高校生(引率の先生も含む)
講師●榎 一郎(大阪大学理学研究科数学専攻 准教授)
題目●オイラー数の幾何
熱気のある楽しい講座だったようです.当日の報告を,主催の杉田洋教授よりいただきました:
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 参加者約80名で会場の教室はほぼ満席で熱気を帯びていました.オイラーの 多面体定理が主題です.まず,この定理の紹介があり,それを用いて,正多面 体が全部で5種類しかないことが示されました.これは大阪大学の2010年入学試 験に出題された整数問題と関係があることが裏話として披露されました.
 次にオイラーの定理「多項式版」を用いて,多角形の内角の和を求める公式 を導きました.その際に用いた三角形分割をヒントに,単体と複体の概念が紹 介され,複体のオイラー数が定義されました.そして,複体Kが円板と「同じ」 (=同相)とき,そのオイラー数は1である,という定理が示されました.続い て,複体Kが球面と「同じ」とき,そのオイラー数は2である,という定理が示 されました.これが古典的なオイラーの多面体定理の証明になっています.
 最後にベッチ数の話まで出てきてトポロジーの研究の発端が少し紹介されま した.講義が終わってから,講師の榎氏は熱心な高校生に取り囲まれて質問に 答えていました.          報告者:杉田洋(大阪大学)
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SGK通信(2011-07)上智大学数理科学講演会報告

上智大学数理科学講演会 「数学と実験」
上智大学理工学部/情報理工学科/数学科 共催
本日(7月30日)は上記講演会に参加しました.以下報告です:
手を動かし楽しめる講演会でした.
 
1.筱田健一教授(上智大学理工学部) 挨拶
 
2.宮本 裕一郎 (上智大学理工学部准教授)
ハノイの塔の状態遷移グラフを作りアルゴリズムを理解します.円板数が1つ増えるだびに繰り込まれていくフラクタル構造のグラフが得られます.
通貨変換による最大利得を得る経路.輸送経路解析は均衡流の状態に注目.
Braessのパラドックス(最短経路をみんなで取り合う)などを学習しました.
最短経路の計算方法では,ベルマン・フォード法,ダイクストラ法が紹介された.
今日の社会では,グーグル検索をはじめとして,グラフ理論やコンピュータが活躍します.
離散数学に親しめ楽しいものでした.
  
3.小池 正夫 (九州大学大学院数理学研究院教授)
実験・発見・数学体験の過程を体験します,数学教育法にも利用できます.
剰余法(mod)2,3,4の世界でパスカルの3角形を作り,数字配列の規則を見出すのが課題です.
素数を法とする2,3の場合は,規則が見出し易いですが,
4を法とする世界では,これがなかなか難しいです.
実験で2次元の数字の配列を得たとすると,すぐに2次元Fourier分解などしてしまいませんか?
それが私などの常識ですが,数学では配列全体をじっと眺めて規則を見出すのです.
規則が発見できると楽しいです.
データを見てFourier成分に分析するのではなく,データ全体の型を見て特性を分類しようとした寺田寅彦を思いだしました.
 
谷克彦
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SGK通信(2011-06)数学月間懇話会報告

第7回 数学月間懇話会 
7月22日,14:00~17:00 を無事実施しました.ご参加有難うございました.
当日の講演資料は,ここに掲載いたします.ご参考ください.
 
1.片瀬豊(SGK),開会挨拶:数学月間の真意・要諦⇒katase.pdf

2.北川源四郎(情報・システム研), サイバー世界のモデリング⇒kitagawa_1.pdf  kitagawa_2.pdf

3.荒井隆(防衛大), 量子コンピューティングの考え方
arai.pdf

4.谷克彦(SGK), 米国MAM複雑系と日本の原発事故⇒tani.pdf

(注意)大きいpdfファイルは直接開かない場合があります.そのときは,ダウンロードしてから開いてください.
連絡先:SGK世話人sgktani@gmail.com
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SGK通信(2011-05)上智大学数理科学講演会

今年も「数学月間」参加プログラムとして,次の講演会が開催されます.
上智大学数理科学講演会 「数学と実験」
上智大学理工学部/情報理工学科/数学科 共催
 
日時: 2011年7月30日(土)13:30-17:00
場所: 上智大学9号館3階 353教室
htttp://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/campusmap_yotsuya

• 13:30-15:00 宮本 裕一郎 (上智大学理工学部准教授)
最短経路の話
日常生活の中で,例えば家から職場まで移動するときなど,人は無意識のうちに最短の経路を探ります.他にも良い経路を選択する場面はたくさんありますが,その裏に数理的なカラクリや意外な応用があることはあまり知られていません.そういったことを,簡単な演習問題なども交えつつ,お話ししたいと思います.そして,実際のデータを用いた実験が理論につながることも多いということを感じ取っていただければと思います.キーワードはグラフ理論,アルゴリズム理論,最適化理論といった具合です.最後のほうで数理情報分野における最新の話題なども紹介します.
 
• 15:30-17:00 小池 正夫 (九州大学大学院数理学研究院教授)
実験・発見・数学体験
実験数学の話をしましょう. それは, 数学の研究で定理を発見するための1つの方法です.また, 数学を教える際にも応用できる方法でもあります.
実験数学は次の5つのステップから成り立っています.
(1) データを収集します. (2) 規則性、パターンを探します.(3) 推測を数学の言葉で表現します. (4) 更なるデータで推測を検証して,予想を立てます. (5) 予想を証明します.
講演では, 剰余法 2,3,4 の世界のパスカルの三角形を材料にして, 実験数学の5つのステップがどのようなものかを体験してもらう予定です.
 
◎ この講演会は非専門家向で, 一般の方の参加を歓迎します。参加費は無料です。
連絡先: 上智大学理工学部 筱田健一
(Tel: 03-3238-3466, Email: shinoda@sophia.ac.jp
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SGK通信(2011-04)懇話会(7/22)のプログラム

★第7回数学月間懇話会のプログラム
日時●7月22日,14:00-17:00
受付開始 13:30
14:00-14:10 開会挨拶,片瀬豊(SGK)
14:10-15:10 サイバー世界のモデリング,北川源四郎(情報・システム研究機構)
15:20-16:20 量子コンピューティングの考え方,荒井隆(防衛大)
16:30-17:00 今年の米国MAMの話題と日本の原発事故,谷克彦(SGK)
懇親会 17:15から(喫茶にて各自払い)
会場●東京大学(駒場)数理科学研究科棟056教室
最寄り駅●京王井の頭線「駒場東大前」
参加費●無料
問合せ先●日本数学協会,数学月間の会(SGK)
sgktani@gmail.com,谷克彦(SGK世話人)
 
ご参加お待ちしています.
もし出席依頼書が必要な場合には世話人まで御連絡ください.


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SGK通信(2011-03)大阪大学−数学月間連携行事

数学月間連携行事のご案内
今年も,大阪大学で以下の講座が開講されます.ご参加お勧めします.
当日(8月9日)は,大阪大学理学部のオープンキャンパスの日でもあるそうです.

高校生のための公開講座 現代数学への冒険
日時:平成23年8月9日(火)14:00〜15:50
会場:大阪大学理学部 F 棟102
対象:主として高校生(引率の先生も含む)
講師:榎 一郎(大阪大学理学研究科数学専攻 准教授)
題目:オイラー数の幾何
概要
凸多面体の頂点,辺,面の数のあいだには,オイラーの定理と呼ばれる
関係式があります.正多面体がいくつあるかという問題も,この定理を
用いると解決します.
講義では,凸多角形の内角の和の公式の証明と意味を考えることから
始めて,オイラーの定理を源とする数学をできるだけやさしく紹介したい
と思います.

問合せ先:大阪大学大学院理学研究科数学専攻(担当:土居伸一)
〒560-0043 豊中市待兼山町1-1
TEL: 06(6850)5326  FAX:06(6850)5327

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SGK通信(2011-01)数学月間懇話会

「数学と社会の架け橋」7/22−8/22は数学月間

震災や原発事故など,とんでもない事態が続いております.
今年の米国MAM(4月に実施)のテーマは複雑系でした.
 ・ミスの連鎖が大規模停電につながる.
 ・大惨事の経済へのインパクト.
など,今日の日本を見抜いたような,数学です.
今年も数学月間懇話会(7/22)にお出かけください.
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第7回数学月間懇話会
日時●7月22日,14:00-17:00
内容●
1.サイバー世界のモデリング,北川源四郎(情報・システム研究機構)
2.量子コンピューティングの考え方,荒井隆(防衛大)
3.今年の米国MAMの話題,谷克彦(SGK)
会場●東京大学(駒場)数理科学研究科棟056教室
最寄り駅●京王井の頭線「駒場東大前」
参加費●無料
問合せ先●日本数学協会,数学月間の会(SGK)
sgktani@gmail.com,谷克彦(SGK世話人)
www.sugaku-bunka.org/
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SGK通信(2011-02)数学月間

数学月間活動の狙い:

(1)数学が社会で使われていることを紹介し,一般の数学への共感を喚起する
(2)数学者側も,一般からの数学への期待を理解する
活動は,双方向コミュニケーションを必要とします.

遺伝子組み換え,BSE,原子力発電,などの社会導入判断は,科学では保障できません.
これを,あたかも科学的事実にもとづき決定したように見せるのは良くありません.
これは,市民がどのような生き方社会を望むかにもとづき決定すべき問題です.

数学月間では,
市民が必要とする数学は何かを考えたり,
我田引水の屁理屈や数字の一人歩きを正すことも必要です.
今年の米国MAMは,たいへん良い手本になります.
数学月間懇話会で語り合いましょう.    
ご意見をお寄せください.     sgktani@gmail.com 谷(SGK世話人)
 
 
●SGK発起人(片瀬豊氏)より,投稿があります
    ここ → 「数学月間」の真意・要諦.pdf

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SGK通信(2010-09)数学月間懇話会・御礼

昨7月22日に第6回懇話会を無事開催しました.
ご講演いただいた手嶋吉法先生,岡本和夫先生
会場お世話をいただいた河野俊丈先生に感謝いたします.
造形,教育,さまざまな分野の方々が集い,楽しい雰囲気の会でした.
少なくとも「7/22−8/22は数学月間だ」ということを,
社会に知られるようにしたいものです.
 猛暑の中お集まりいただいた皆様に感謝いたします.
 
概要は,後日,SGK通信に掲載します.
(数学月間連携行事)
上智大学数理科学講演会は,明7月24日です.
詳細→semi100724.pdf
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SGK通信(2010-08)数学月間連携行事(上智大学)

 上智大学数理科学講演会−−−(数学月間連携行事)
今年のテーマは「対称性」です.
主催●上智大学大学院理工学研究科数学領域/理工学部数学科
日時●2010年7月24日(土),13:30−16:00
場所●上智大学3号館325教室
プログラム●
1.数学と対称性,筱田健一(理工学部教授)13:30-14:30
 群論の発展の歴史,群の分類の理論など.
2.物理学と対称性,清水清孝(理工学部教授)15:00-16:00
 対称性と保存則,ユニタリー群の既約表現と素粒子分類など.

参加費●無料
非専門家向きに講演を行い,一般の参加歓迎とのことです(事前申し込みは不要).
連絡先:筱田教授(03-3238-3466) 
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SGK通信(2010-07)プログラム更新

第6回数学月間懇話会
日時 7月22日,14:00−17:00
●プログラム
1.「手と目で鑑賞,数学曲面と多面体ー直感幾何学ふたたび」(手嶋吉法,産総研),
  触って鑑賞の時間もあります,惑星やプランクトンにも触れます.
2.「教育数学の試み」(岡本和夫,大学評価・学位授与機構),
3.「数学月間に期待するもの」(意見交換),

会場:東京大学駒場キャンパス,数理科学研究科棟056号教室
最寄り駅:駒場東大前
参加費:無料
申込み&問合せ先:片瀬豊,谷克彦(sgktani@gmail.com
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●出席依頼書ご希望の方は,ご連絡下さい.
日本数学協会幹事SGK世話人(sgktani@gmail.com

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SGK通信(2010-04)数学月間連携行事(大阪大学)

数学月間連携行事
高校生のための公開講座 現代数学への冒険

大阪大学理学部数学教室では、数学に興味を持つ若い皆さんのために、現代数学の様相と数学研究の実際、自然科学や社会科学に及ぼす数学の影響、文化としての数学の在り方などについて、多角的な視点から易しく解説する公開講座を以下の要領で開催します。受講料は無料です。

平成22年度の詳細
日程:平成22年8月19日(木)
時間:午前10時〜11時50分
会場:大阪大学豊中キャンパス 理学部F棟102
対象:主として高校生(引率の先生も含む)
講師:有木進(情報基礎数学専攻 教授)
詳細は:http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/koukai/
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内容:行列の話

高校で行列を習いますが,行列が現代科学で活躍している様子を覗いて見ませんか.
可制御性,可観測性の概念を中心のお話とのことです.
我々のまわりの森羅万象は大体線形なシステムなので,行列は随所に現れます.
制御系の安定性をはじめ,3Dグラフィックス・空間の記述にも,表現論にも,
コンピュータの数値計算にも,行列理論は活躍しています.
高校生の皆さんのご参加を勧めます.
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数学月間連携行事をお知らせください.
SGK世話人:谷克彦(sgktani@gmail.com


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SGK通信(2010-05)数学月間懇話会

第6回数学月間懇話会のお知らせ
(7/22~1/πー8/22~1/eは数学月間です)
●日本数学協会,数学月間の会(SGK)
日時●7月22日,14:00−17:00
内容●「手と目で鑑賞.科学の立体模型」(手嶋吉法,産総研),
    「自由に触って鑑賞」,
    「教育数学の試み」(岡本和夫,大学評価・学位授与機構),
    「数学月間に期待するもの」(意見交換),
会場●東京大学駒場キャンパス,数理科学研究科棟056号教室
最寄り駅●駒場東大前
参加費●無料
申込み&問合せ先●日本数学協会幹事SGK世話人,谷克彦,
sgktani@gmail.com,tel/fax03-3383-2978
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SGK通信(2010-03)黄金比のパズル(補足)

SGK通信(2010-02)の「余談」に記した
  ●等式?の2通りの証明(小梁修氏による最初の証明,宮永望による「正5角形(3個)の面積を使う」証明)
  ●等式?と等式?との関連
を,小梁氏が『数学教育 2010年4月号』(明治図書)の「平面図形のパズル」で紹介しています.
興味のある方は是非ご覧ください.タイトル
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SGK通信(2010-02)黄金比のパズル(解答・解説・余談)

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この記事では,SGK通信(2009-14)の記事「黄金比のパズル」に,解答・解説・余談をつけます.
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■解答:
 
「ハトメ返し」(広い意味で)による解答をご紹介します.
複数個の解答が見つかっていますが,「ハトメ返し」による解答は現時点では1個だけです.
 
正5角形(小)と9個の色つき多角形を,図3のように「ハトメ(鳩目)」でつなぎます
(Aの角とAの角をつなぎ,...,Iの角とIの角をつなぎます).
すると,「ハトメ返し」により,図4のように正5角形(小)を背後へ隠せます.
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■解説1:
 
解説1・2では,正5角形(大)に外接する円をOとし,円Oの中心をPとします.
 
上記の解答により,
  ?[正5角形(大)の面積]=[正5角形(中)の面積]+[正5角形(小)の面積]
つまり
  ?[正5角形(大)の辺の長さ]の2乗
  =[正5角形(中)の辺の長さ]の2乗+[正5角形(小)の辺の長さ]の2乗
が分かります.
そして,この等式?を使えば,ユークリッド『原論』第13巻・命題10の等式
  ?[円Oに内接する正5角形の辺の長さ]の2乗
  =[円Oに内接する正6角形の辺の長さ]の2乗+[円Oに内接する正10角形の辺の長さ]の2乗
を示すことができます.
 
実際,図1を観察することで
  ?[円Oに内接する正5角形の辺の長さ]=[正5角形(大)の辺の長さ]
  ?[円Oに内接する正6角形の辺の長さ]=[円Oの半径の長さ]=[正5角形(中)の辺の長さ]
  ?[円Oに内接する正10角形の辺の長さ]=[正5角形(小)の辺の長さ]
が分かり,等式?を等式?に書き換えることができます!
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■解説2:
 
点Pから正5角形(中)の頂点へ線分(長・中・短)を引きます.
点Pが正5角形(中)の対角線の交点なので,
  ?[黄金長方形の長い辺の長さ]=[線分(中)の長さ]
  ?[黄金長方形の短い辺の長さ]=[線分(短)の長さ]
となるような黄金長方形を作図できます(このことはよく知られています).
 
さて,図1を観察する(線分を平行移動させる)ことにより,
  ?[線分(長)の長さ]=[正5角形(大)の辺の長さ]
  ?[線分(中)の長さ]=[正5角形(中)の辺の長さ]
  ?[線分(短)の長さ]=[正5角形(小)の辺の長さ]
が分かります.
従って,等式?を等式
  ?[線分(長)の長さ]の2乗=[線分(中)の長さ]の2乗+[線分(短)の辺の長さ]の2乗
に書き換えることができます(この等式はほとんど知られていないようです).
そして,この等式?を使えば,?,?となるような黄金長方形に対する等式
  ?[黄金長方形の対角線の長さ]=[線分(長)の長さ]
を示すことができます!
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■余談:
 
「黄金比のパズル」が完成するまでの経緯を,簡単に記しておきます.
 
事の発端は,小梁修氏が日本数学協会・会員制掲示板へ投稿した等式?でした.
小梁氏は等式?を,正5角形の作図法について考えていたときに,発見・証明したそうです.
 
小梁氏と私は,等式?をめぐって,掲示板で数年間(断続的に)議論しました.
その結果,等式?とユークリッドの等式?との関連が分かり,
等式?の「正5角形(3個)の面積を使う」新(?)証明ができました
(ユークリッドの証明も小梁氏の最初の証明も「面積を使わない」証明でした).
 
その後小梁氏は,「正5角形(3個)の面積を使う」証明をもとにして,パズルを作りました.
そのパズルでは,遊びを通して,等式?の証明が自然に学べるようになっていました.
そのパズルに刺激を受けた私が,
証明よりも遊びに重点をおいたパズルを作ろう! と試行錯誤した結果,
「黄金比のパズル」が完成したのでした.
 
なお,「黄金比のパズル」を作る過程でこだわったのは,以下の2点でした:
  ●正5角形(大)の多角形への分割において,正5角形(小)が分割されないようにすること
  ●正5角形(大)の多角形への分割を,「ハトメ返し」で解答可能な分割にすること
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「黄金比のパズル」に対するコメントをお待ちしております
(コメント欄か谷克彦氏(SGK世話人)までお願いいたします).
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SGK通信(2010-01)ポリノミオグラフィ(多項式アート)

謹賀新年.本年もよろしく願います.
乞う御期待!
「黄金比のパズル」の解答発表が,宮永望氏より,1月8日にあります.
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 small
ニュース!
昨年,高木隆司氏より,Bahman Kalantari教授(Rutgers univer)情報をいただきました.Kalantari教授は,Polymomiography(ポリノミオグラフィ)の発表を,ISIS Symmetry Conference(2009)で行ったそうです.

代数方程式の解を用いて図のような美しいアートが作れます.
教授のwebサイトは,http://www.polynomiography.com/
ここにはプログラムJAVA appletもあります.お試しください.

Kalantari教授は,girls campなど,子供向けのワークショップも米国で色々実施しています.子供でも美しいアートが作れます.
本年,来日されれば日本でのワークショップが実現するかもしれません.
 
お問い合わせは: SGK世話人(谷)sgktani@gmail.com

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SGK通信(2009-14)黄金比のパズル

黄金比の日にちなんで,宮永望(数楽分科会,理事)さんからの投稿です.
たいへん美しいパズルです.図をダウンロードしてぜひ挑戦ください.
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本日の8/13(≒2/(√5+1)=(√5−1)/2)は「黄金比の日」です.
そこで,「黄金比のパズル」をご紹介します.
図1の中に,太線で描かれた3個の正5角形(大・中・小)があります.
正5角形(大)から正5角形(小)を取り除いた部分を,図2の9個の色つき多角形に分割します.
さて,これらの色つき多角形を組み換えて,正5角形(中)を完成させてください.
もちろん,「裏返し」や「はみ出し」や「重ね合わせ」は禁止します.
 
このパズルは,日本数学協会・会員制掲示板での小梁修氏との議論をもとにして,
宮永望氏が作成したものです.
このパズルには,ユークリッド『原論』第13巻・命題10の「黄金比の性質」が潜んでいる
とのことです(奥が深い).
 
「黄金比のパズル」に対するコメント(解答・感想など)を,SGK通信へお寄せください.
宮永氏による解答・解説は,本年の13/8(来年の1/8)のSGK通信に掲載予定です.
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それまで解答募集中!連絡先(谷): sgktani@gmail.com
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SGK通信(2009-13)数9801の不思議

お盆休みいかがお過ごしでしょうか.数字9801の不思議をお届けします.
渡邊芳行さん(数楽分科会,理事)より9801に関する,面白い話題の投稿がありました.この数字は不思議ですね.9801=99x99=1089x9の性質を使った手品ができます!
 
 
ご感想やコメントをお寄せください.
 
明日8/13は,黄金分割の日です.明日掲載する記事もご期待ください.

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SGK通信2009-12(数学教材紹介)

2009/05/15タイトルSGK通信2009-05(数学教材紹介)の削除置換え版 from:谷 克彦
SGK通信2008-4(数学教材紹介2)に掲載した
事例抽出ソフト(エクセルマクロ)のアップデートが尾木純さんにより行われました.
 
日常生活教材作成研究会(数学班統括:岡部恒治)が作成(2007.3)した報告書が,文科省のホームページにあります。膨大な内容なので,活用に便利なように,事例抽出ソフト(尾木純さん作成)がSGK通信2008-4に置いてありましたが,今回さらに詳細な検索ができるようになりました.
 
新バージョン数学事例集抽出ソフト.xls←ここをクりック(ダウンロード)
 
数学事例抽出ソフト,操作マニュアル,データのpdfファイルを,同一ディレクトリに保存してから実行してください.
このプログラムは,xlsのマクロを使用しています.
ここに掲載したデータは,上記報告書の一部です.
他のデータは文科省のホームページよりダウンロードください(詳細は,SGK通信2008-04にあります).

抽出ソフト使用ご感想など以下にご連絡願います。(CDご希望の方はご連絡ください)
sgktani@gmail.com :SGK世話人

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SGK通信(2009-10)数学月間によせて

数学月間懇話会にご参加有難うございます.
講演概要は,別途掲載しますのでご覧ください.
会員,竹内淳実氏より,数学月間によせてをいただきました.
フェルマーの最終定理を詠んでいます.
「......... 精察人移幾積年..」
ここがいいですね.私もこのような漢詩が作れるようになりたい.
 
全体を見るのは(ココをクリック!)⇒数学月間に寄せて竹内淳実.pdf
ピタゴラス数の考察も,上のpdf中にあります.
 
昨年の数学月間でも,竹内氏は
関孝和三百年忌など漢詩3題(SGK通信2008-16参照),
ピタゴラス数の簡潔な求め方(SGK通信2008-17参照)
を寄稿されています.良い教材になりそうです.
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SGK通信(2009-11)数学月間エッセイ(第4回)

久富望氏(会員)のエッセイ
「数学・算数の教材をホームページ上で公開しながら」 を掲載します.
久富氏は,http://www.collegium.or.jp/~kutomi/で,数学教材を公開しています.
数学月間活動(数学への共感を広げる活動)では,ウェブの活用が特に重要になります.
学習教材の構想もたいへん重要で興味深いです.
のぼ氏のエッセイ(SGK通信2009-08)でも,美しく不思議な形などの数学図鑑の構想がありました.
久富氏のいう数学資料集もこの分野のプロジェクトですね.ぜひ実現さたいものです.
 
数学月間エッセイやエッセイに関する感想をお寄せください.
→SGK世話人:sgktani@gmail.com(谷)


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SGK通信(2009-09)数学月間連携HP

いよいよ本日から数学月間(7/22〜8/22)が始まります.
この数学月間に連携して,久富望さん(会員)のHP(教材研究)
のアップデートが活発に行われます.ご訪問ください.
 
初日の本日は,予定通り数学月間懇話会を実施します.
雨模様です.日蝕が観測できるかは心配ですね.
 

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SGK通信(2009-08)数学月間エッセイ(第3回)

のぼさんのエッセイ”数学は科学じゃない?”をお届けします
 
ここをクリック!⇒数学は科学じゃない?_のぼ.pdf
のぼさんの関わった科学学習図鑑では,科学技術の側からも,実験の側からも,数学は取り上げられなかったということです.ゼロの発見,ピタゴラスの定理,四色定理,...などが,カットされたそうです.美しく不思議な図形など数学的なトッピックスを集めた数理科学図鑑を作りたいものですね.
さらに,のぼさんは,数学論理と結びつきの薄い理科を学習する傾向のある(理科離れ)を嘆いています.私もそう思います.数学によってのみ外界(森羅万象の法則の起源)が認識できるといったのは,デカルト,ホッブスでしたね.
 
数学月間エッセイやエッセイに関する感想をお寄せください.
→SGK世話人:sgktani@gmail.com(谷)
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SGK通信2009-07(数学月間懇話会)

数学月間懇話会は,いよいよ来週になりました.
7/22は,皆既日蝕(11時14分頃です)の当日です.
ご来場お待ちします.
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第5回数学月間懇話会
●日本数学協会,数学月間の会(SGK)

日時●7月22日,14:00−17:30
内容●
14:00-14:40「宇宙のかたち」(河野俊丈,東大),
14:40-15:40「造血幹細胞移植データベースと統計」(田渕健,神奈川県立こども医療センター),
15:40-16:20「生体情報のゆらぎとフラクタル性」(河野貴美子,元日本医科大),
16:20-17:00「MRIの数学的原理」(真島秀行,お茶の水女子大),
17:00-17:30「数学月間の状況・数学月間をいかに活用するか」(片瀬豊,日本数学協会)

会場●東京大学駒場キャンパス,数理科学研究科棟002号教室
「数理科学研究科棟西通用口の右側の入り口からお入り下さい」

最寄り駅●駒場東大前
参加費●無料
18:00から懇親会の予定(3500円)

申込み・問合せ先●
SGK世話人,谷克彦,sgktani@gmail.com,tel/fax03-3383-2978
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SGK通信2009-06(数学月間懇話会)

今年も第5回の数学月間[7/22(1/π)〜8/22(1/e)]が近づきました!
7/22は,皆既日蝕(11時14分頃です)の当日です.
数学月間懇話会を以下のように開催いたします.
ふるってご参加ください.
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第5回数学月間懇話会
●日本数学協会,数学月間の会(SGK)
日時●7月22日,14:00−17:30
内容●
・「宇宙のかたち」(河野俊丈,東大),
・「造血幹細胞移植データベースと統計」(田渕健,神奈川県立こども医療センター),
・「生体情報のゆらぎとフラクタル性」(河野貴美子,元日本医科大),
・「MRIの数学的原理」(真島秀行,お茶の水女子大),
・「数学月間の状況・数学月間をいかに活用するか」

会場●東京大学駒場キャンパス,数理科学研究科棟002号教室
最寄り駅●駒場東大前
参加費●無料
18:00から懇親会の予定(3500円)
申込み・問合せ先●
SGK世話人,谷克彦,sgktani@gmail.com,tel/fax03-3383-2978
最新詳細情報はSGK通信にアップデートします●
./nc1Files/,数学月間の会
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SGK通信(2009-02)数学月間エッセイ(掲載予告)

2009年「数学月間懇話会」(7/22の予定)は,「数学月間をいかに利用するか」についてです.

皆様からお寄せいただいたエッセイを,ここに掲載していきます.
ご意見ご感想をこの掲示板にお寄せください.

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第1回は, 室岡和彦氏「高校生・大学生の数学感」
       谷口健英氏「社会と数学,社会の中の数学」

第2回は, 田淵健氏「ある医療データベースの統合」
       手嶋吉法氏「数学月間の活用によせて」
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の予定です.ご期待ください. 連絡先: sgktani@gmail.com

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SGK通信(2009-03)数学月間エッセイ(第1回)

2009年「数学月間懇話会」予定は,7/22(皆既日蝕当日)です.
−テーマ「数学月間をいかに利用するか」−
 
ちなみに,2009年米国のMAMの統一テーマは”数学と気候”です.
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 ・室岡和彦氏「高校生・大学生の数学感」高校生大学生の数学観.pdf
日本数学教育学会のアンケート調査にもとづく概略考察(詳細は室岡氏の報告書あり).
感想(谷):
理系の学生は数学が最も重要と考えているが,文系の学生は数学はあまり重要と考えていないらしい.
高校数学の行列(線形代数)は文系,理系でも重要な項目と感じられていないのも意外だった.

 ・谷口健英氏「社会と数学,社会の中の数学」社会の中の数学.pdf
 感想(谷):
なぜ「ある公式」が発見されたのか.公式の意味や公式誕生の環境背景を考えるのは興味深い.
このような視点を,数学月間でとりあげたらよいだろうとのご意見である.
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ご意見やエッセイをお寄せください.掲示板への書き込み歓迎!
 
連絡先: SGK世話人(谷)sgktani@gmail.com
 
 

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SGK通信(2009-04)数学月間エッセイ(第2回)

2009年「数学月間懇話会」予定は,7/22(皆既日蝕当日)です.
−テーマ「数学月間をいかに利用するか」−
 
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・ 田淵健氏「ある医療データベースの統合」ある医療データベースの統合.pdf
感想(谷):
田淵健氏は,造血幹細胞移植医療のデータベース化に携わっている.貴重なデータを残していくことがどんなに役立つか知れないのだが,公的機関がやらないしボランティアをかってでる医師もほとんどいない状況らしい.このような縁の下の力持ち的なボランティアをやるのはたいへんだ.2008年末に,データベースを統一して一元管理ができるようになったそうだ.さらに今後も,移植医療に係わる複雑な経過などが反映できる質の高いデータベースに進化させていくそうです.この仕事は,数学知識が必要なことはいうまでもないが,医学的判断を基礎とするデータマイニングがなければ有用なデータベースにならないので,貴重な人材として氏の活躍に期待します.

・ 手嶋吉法氏「数学月間の活用によせて」数学月間の活用.pdf
地球や天体などの大きなものから微生物のようなミクロのものまで,手で触れるサイズの模型(正確な縮小拡大)づくりを研究されています.これらに関しては後日,SGK通信で紹介予定です.

数学月間のイベント題材2点のご提案があります
・数学者の記念切手を発行
(毎年数学月間の時期に記念切手を発行し,一般視聴者にキャンペーンする)
(候補)例えば:小平邦彦,広中平祐,森重文,関孝和,・・・・・
実施方法⇒
日本数学協会が国に働きかけて行くことで実現しよう.

・正多面体および準正多面体の自作の奨励
感想(谷):正多面体作りといえば,私も中学生のときスケッチを見て作ってみたくなりました.展開図を自分で作って組み立て,できたときはとてもうれしかったことが思い出されます.
実施方法⇒
日本数学協会のホームページに展開図をおき,小中高,大学,一般にアピールする.日本数学協会ホームページ上で作成報告を行うようにする.自分が作った多面体にチェックを入れ,年齢,性別,市町村名の登録ができるようにする.
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ご意見ご感想をこの掲示板にお寄せください.
 連絡先: SGK世話人(谷)sgktani@gmail.com
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SGK通信(2009-01)「数学 日本のパイオニアたち」などの情報

新しい年になりました.本年も宜しくお願いします.
今年は「数学月間懇話会」(7/22の予定)は,皆既日蝕の当日に当たります
すばらしいことが起こりそうですね.

 「数学 日本のパイオニアたち」というイベントが,国立科学博物館で,現在開催されています(1月12日まで).
没後300年の関孝和から,1870年代の菊池大麓,1900年代の高木貞治,小平邦彦などの軌跡をたどり,日本の数学研究を眺めてみましょう.
(私は,まてまてか塾を開いた内田五観に興味をもちました.)
 
「数学月間をいかに利用するか」について,どうぞご意見をお寄せください.
皆様のご意見をSGK通信に掲載します.
連絡先: sgktani@gmail.com
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SGK通信(2008-22)数学月間エッセイ募集

2009年の「数学月間懇話会」の予定日(7/22)は今世紀最大の皆既日食です!
 
来年に向けて「数学月間」の方針を語り合いましょう。
皆さんの「数学月間」への思いはどのようなものでしょうか?
 
そこで、
「数学月間を如何に活用すべきか?」
のエッセイを募集します。(2009.2末まで)
 
連絡先: (SGK世話人 谷) email: sgktani@gmail.com
 
発起人の片瀬氏のエッセイ「数学月間」思潮(7)を掲載⇒「数学月間」思潮(7)_片瀬.pdf

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SGK通信(2008-21)2008数学月間報告

今年の数学月間(7/22−8/22)は,おかげさまで有益に終了しました.
応援者の皆様,ご協力感謝いたします.
さっそく来年の数学月間の企画に向けて,「皆様の考える数学月間とは何か」の意見交換をして行きたいと思います.ご意見を,この場か,世話人までお寄せください.
連絡先(谷):sgktani@gmail.com
FAX:              03-3383-2978       

数学月間懇話会の会計報告:
8月23日の年次大会の全体報告会の席上で,数学月間懇話会で得た寄付金を,岡本副会長から上野会長に贈呈しました.これは,今後の数学月間活動に使用されます.

寄付金内訳:懇親会残金9,617円+寄付金(3件)=30,000円

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数学月間についての私見


 異常な社会・自然現象が発生している今こそ、その要因がなんであるかを自分で考え、その本質  を見抜く力が必要でしょう。この視点からみると、数学月間の多分野に亘る活動は大いに意義があります。 そして、この活動は、偽を嫌い真理を愛する社会育成のために、無意識に貢献しているように感じます。
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SGK通信2008-20(上智大講演会報告)

講演会「数学と生命科学--数理モデルを中心として」
 主催:上智大学理工学部数学科/情報理工科(「数学月間」参加プログラム)

20人を越す参加者があり,興味深い講演と質疑応答が行われた.両講演とも現象への数学応用の重要性と,米国のMAMに見られるような数学月間活動の意義が言及された.
講演概要を以下に報告します(文責:谷).
 
■小野晋也(衆議院議員)氏の参加を得た.冒頭に片瀬豊氏の数学月間紹介に続き,小野晋也氏の挨拶があった:
世の木鐸たるマスコミが数学に冷淡であるのは問題である.受験に必要なので数学を勉強するが,そこで縁が切れるのが悪しき世の常である.(小野晋也代議士は)宇宙工学専攻なので,数学はよく使った.しかし,政治の世界に入ってから数学にのらない課題と付き合っている.数学により社会解明の思いがけない解が得られることを期待している.数学者の皆様も社会に向かって数学をわかり易く話す努力が必要であり,数学月間活動は重要である.
 
■感染症対策における数理モデルの役割
大日康史(国立感染症研究所)
数理モデルによる感染拡大のシミュレーションは,新型インフルエンザやバイオテロなどの対策の有効性評価に必要である.数理モデルには,SIRモデル,ibm(IndividualBasedモデル),Ribm(Realibm)などがある.本研究で用いたRibmとは,実際に調査した個人の移動,所在の記録データ(首都圏では88万人)にもとづき,6分ごとに人々の接触状態(感染の機会)が定義されるものである.新型インフルエンザには,種々のタイプがあり鳥類間の感染は起こるが,鳥から人への感染は血液の濃厚接触などの場合に限られる(豚と人の感染するインフルエンザのタイプは似る).人に感染した場合に,人から人への感染が始まり拡大していく.シミュレーションには,例えば以下のシナリオを用いる:(第1日)初発例が外国で感染.(第3日)帰国.帰宅後(八王子)感染性を持つ.(第4日)出社(丸の内).発症.(第5日)国際医療センターに受診.東京都健康安全研究センターで検査診断.(第6日)対策へ:シミュレーションの結果である首都圏への感染拡大の様子や全国への拡大の様子が示された.どのような対策(外出自粛,地域閉鎖,休校,住民全員が予防服用,....)をとると効果があるかが予測できるシミュレーションが示された.
 
■数理脳科学と情報幾何
甘利俊一(理化学研究所)
脳は多数のニューロンから構成され,1つのニューロンは約1万個の他のニューロンと結合し信号を得る.ニューラルネットワークはこれらニューロン間の結合強度で決まる.信号として確率密度関数の伝搬を扱うので,確率分布の空間で議論することとなる.情報幾何が取り扱うこのn次元空間(例えば,正規分布の場合には,平均値と分散で規定される2次元空間)においては,リーマン計量の拡張であるフィッシャー情報行列が計量に用いられる.空間内各点での接平面の接続は,アフィン接続の代わりにα-接続(甘利による)が定義される.これはリーマン接続のように内積を保存するものではなく,統計的不変性の要請から生じる.このようにすると,空間をα-平坦とみなすものを定義することが出来,そのような空間を用いると,最尤法やその他による解の探索など情報処理を有効に進めることができる.
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SGK通信2008-18(SGK懇話会によせて4)

数学と基礎科学-----私の言いたかったこと-----

結晶の格子点の配列は有理数の世界です.しかし高次元空間の格子点を我々の3次元空間に射影(原点以外に格子点を乗せないように傾いた空間を選ぶ)すると無理数の世界(準結晶)になります.

我々がどんなに多くの桁数を計測しても,打ち切ったとたんそれは有理数になります(デジタルの世界).この意味では無限の桁数の無理数を測ることはできない.しかし,無理数も含めた実数の世界(アナログの世界)は実在します.

物理量は実数だといいます.波動関数は複素数ですが,電子の存在確率は波動関数の絶対値の2乗で,実数になります.物質にX線をあてた時に観測される散乱スペクトルは,物質中の電子分布密度(正の実数)のFourier変換(これは複素数)の絶対値の2乗(実数)です.これまで複素数の観測法が一般的ではなかったので,複素数量は数学的な概念世界の話で,実態のともなうものは実数と思われました.近年,波動関数でも,散乱スペクトルでも,複素数量(位相の計測)を測定できます.

こうしてみると,数学概念の対応が,物理世界にもすべてあるように思えます.我々の宇宙は数学を模倣しているというのは,きっと本当でありましょう.(谷克彦)
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