数学月間の会

SGK通信(2012-03)新しい統計学の課題

統計学は,品質管理,医療・創薬・臨床,経済金融,統計調査,データマイニングなどの分野に係わり,現在ますます必要性が増していいます.
 
大規模データ(データの洪水)といっても,
被験者1人から多数の特正データpが採集できるが,被験者の数nは少ない[n<<p]という状態で,推論を行わなければならない.「新NP 問題」
つまり,大規模データ解析において、データがむしろ不足している状況で,このような状況に対応できる統計的推論の新手法が必要である.
私達は,データからモデル(仕組み)を推定するわけだが,このサイバー世界のモデルは,データをよく説明したとしても,真実であるがどうか誰もわからない.
<昨年の「数学月間懇話会」の北川源四郎氏の講演資料を参照ください>
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?統計学(数学自体)の問題と
?確率統計(確率に支配される不確かな世界)になれていない(yes/noのデジタル思考に毒されている)ために,都合の良い解釈がなされているという問題
とがあると思います.
数学者は関心を持たな過ぎます.特に,数学月間では,後者に対する啓蒙が重要でしょう.
ご意見をお寄せください:連絡先(谷)sgktani@gmail.com
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SGK通信(2012-02)数学月間の真意・要諦_片瀬豊

米国MAM2012のテ−マは「数学、統計学とデ−タ−の洪水」で広報の中に大学生とその先生方を対象とする情報源が並んでいます。数学後継者の着眼点を育成する心が見えます。(添付資料) 米国MAM2011のテ−マ「複雑系を解き明かす」(添付資料)には数学月間MAMの目標は数学の公共的理解と評価を上げる事だと書かれています。
このところわが国の現状はなかなか問題が多く政、産、学の前向きな連携が求められるところです。数学月間提言が一因と見る「ゆとり教育」の改訂、数学重視科学技術基本法の進展を機に数学教育の生産性向上、数学と社会連携の景色が醸成される様願いたいものです。数学月間(7/22〜8/22)のコンセプト(添付資料)の普及前進を応援して下さい。  片瀬豊(SGK発起人・代表)


「数学月間」の真意・要諦katase1.pdf

MAM2011複雑系を解き明かすkatase2.pdf

MAM2012数学,統計学とデータ洪水katase3.pdf

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SGK通信(2012-01)今年の「数学月間懇話会」

本年も例年通り数学月間の初日(7月22日)に数学月間懇話会を開催致します.本年は日曜日にあたりますので,普段出席できない方々のご参加もお待ちします.

私達は,数学や科学は,yes/noで答えられるはずと思い込んでいます.
しかし,真実はyesでもnoでもないものを,yes/noで答えろと無理な要求をします.
このようなグレーゾーンの扱いを,自分達の都合の良いように報道する大手メディアの数学リテラシーの欠如を憂います.不確かなものを正しく判断しなければなりません.
”0.5%発癌率が上るとは,何人のがん患者が出るのでしょうか?それは安全/危険のデジタルの区分ができますか?”
数学月間が今ほど必要な時代はありません.

今年の米国MAMのテーマは,「数学、統計学とデ−タ−の洪水」と聞きます.
私達は,昨年の数学月間懇話会で,「サイバー世界のモデリング」北川源四郎先生,「量子コンピューティング」荒井隆先生,「複雑系(送電網や原発)のべき乗則」谷克彦,などを取り上げました.これらは,今年の米国MAMのコンセプトによく合致しておりました.今年の数学月間懇話会では,講演の他に,不確かな世界(グレーゾ−ン)の数学リテラシー」について話し合いも持ちたいと考えております.
数学月間の企画への,お考えを何なりとSGK通信にお寄せください.

連絡先:SGK世話人(谷) sgktani@gmail.com

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SGK通信(2011-10)とっとりサイエンスワールド(中部会場)

とっとりサイエンスワールド2011〜美しい数学・楽しい算数
(主催:鳥取県,鳥取県数学教育会)

中部地区(倉吉)が9月25日に実施されました.800人を超える来場者がありました.
高・大生のボランティア34人を含む,134人のスタッフ(小・中学校の先生が中心)が,様々なブースを担当しました.
とっとりサイエンスワールドの歴史は,前号のSGK通信(2011-09)をご覧ください.
発足時は,東部だけでしたが,すぐに西部と東部で実施するようになり,
4年目からは,西部,東部,中部の3会場に広がりました.
すっかり地域に定着したイベントになりました.
 
小さい子供が,数学・算数を恐れず,自分から楽しんでいます.
特に,次代を担う,高校生,短大生,大学生のボランティアが,ブースで活躍しており,
数学文化の市民への浸透のさまに感動します.
 
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SGK通信(2011-09)とっとりサイエンスワールド

とっとりサイエンスワールド2011(主催:鳥取県,鳥取県数学教育会)
西部地区8月21日(米子),東部地区8月28日(鳥取)で実施されました.
中部地区は,9月25日(倉吉)で実施予定です.
西部では,雨模様の午前中でしたが,550人の参加者,東部では,晴天に恵まれ1256人の参加者がありました.

とっとりサイエンスワールドは,鳥取大学,地域学部,矢部敏昭教授(現副学長)が中心になって2007年にスタートし,
今年で5回目です.すっかり地域に定着したイベントになりました.
地域教育委員会の後援,小中学校の先生方が活動の中心になっています.中高生160人のボランティアの参加もあります.
こうして,子供,両親から老人まで,集まるフェスティバルに発展しました.
小さい子供が,進んで計算力検定に参加したり,問題に挑戦してスタンプを集めています.
数学・算数を恐れず,自分から楽しんでいる雰囲気をみると将来がたのもしい.
ボランティア側も子供達といっしょに数学・算数に親しむことで,数学感覚がいっそう身につきます.
28種ものワークショップ・ブースがあり,立体模型(小簗),万華鏡をつくろう(谷)も参加しています.
まさに地域全体の数学祭りの感があり,「数学月間」の原点を見る思いです.
 
参考:とっとりサイエンスワールド2011: http://www.tottori-u.ac.jp/dd.aspx?itemid=7211
                                                                         
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SGK通信(2011-08)大阪大学.高校生のための公開講座報告

高校生のための公開講座 現代数学への冒険
日時●平成23年8月9日(火)14:00〜15:50
主催●大阪大学理学部
対象●主として高校生(引率の先生も含む)
講師●榎 一郎(大阪大学理学研究科数学専攻 准教授)
題目●オイラー数の幾何
熱気のある楽しい講座だったようです.当日の報告を,主催の杉田洋教授よりいただきました:
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 参加者約80名で会場の教室はほぼ満席で熱気を帯びていました.オイラーの 多面体定理が主題です.まず,この定理の紹介があり,それを用いて,正多面 体が全部で5種類しかないことが示されました.これは大阪大学の2010年入学試 験に出題された整数問題と関係があることが裏話として披露されました.
 次にオイラーの定理「多項式版」を用いて,多角形の内角の和を求める公式 を導きました.その際に用いた三角形分割をヒントに,単体と複体の概念が紹 介され,複体のオイラー数が定義されました.そして,複体Kが円板と「同じ」 (=同相)とき,そのオイラー数は1である,という定理が示されました.続い て,複体Kが球面と「同じ」とき,そのオイラー数は2である,という定理が示 されました.これが古典的なオイラーの多面体定理の証明になっています.
 最後にベッチ数の話まで出てきてトポロジーの研究の発端が少し紹介されま した.講義が終わってから,講師の榎氏は熱心な高校生に取り囲まれて質問に 答えていました.          報告者:杉田洋(大阪大学)
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SGK通信(2011-07)上智大学数理科学講演会報告

上智大学数理科学講演会 「数学と実験」
上智大学理工学部/情報理工学科/数学科 共催
本日(7月30日)は上記講演会に参加しました.以下報告です:
手を動かし楽しめる講演会でした.
 
1.筱田健一教授(上智大学理工学部) 挨拶
 
2.宮本 裕一郎 (上智大学理工学部准教授)
ハノイの塔の状態遷移グラフを作りアルゴリズムを理解します.円板数が1つ増えるだびに繰り込まれていくフラクタル構造のグラフが得られます.
通貨変換による最大利得を得る経路.輸送経路解析は均衡流の状態に注目.
Braessのパラドックス(最短経路をみんなで取り合う)などを学習しました.
最短経路の計算方法では,ベルマン・フォード法,ダイクストラ法が紹介された.
今日の社会では,グーグル検索をはじめとして,グラフ理論やコンピュータが活躍します.
離散数学に親しめ楽しいものでした.
  
3.小池 正夫 (九州大学大学院数理学研究院教授)
実験・発見・数学体験の過程を体験します,数学教育法にも利用できます.
剰余法(mod)2,3,4の世界でパスカルの3角形を作り,数字配列の規則を見出すのが課題です.
素数を法とする2,3の場合は,規則が見出し易いですが,
4を法とする世界では,これがなかなか難しいです.
実験で2次元の数字の配列を得たとすると,すぐに2次元Fourier分解などしてしまいませんか?
それが私などの常識ですが,数学では配列全体をじっと眺めて規則を見出すのです.
規則が発見できると楽しいです.
データを見てFourier成分に分析するのではなく,データ全体の型を見て特性を分類しようとした寺田寅彦を思いだしました.
 
谷克彦
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SGK通信(2011-06)数学月間懇話会報告

第7回 数学月間懇話会 
7月22日,14:00~17:00 を無事実施しました.ご参加有難うございました.
当日の講演資料は,ここに掲載いたします.ご参考ください.
 
1.片瀬豊(SGK),開会挨拶:数学月間の真意・要諦⇒katase.pdf

2.北川源四郎(情報・システム研), サイバー世界のモデリング⇒kitagawa_1.pdf  kitagawa_2.pdf

3.荒井隆(防衛大), 量子コンピューティングの考え方
arai.pdf

4.谷克彦(SGK), 米国MAM複雑系と日本の原発事故⇒tani.pdf

(注意)大きいpdfファイルは直接開かない場合があります.そのときは,ダウンロードしてから開いてください.
連絡先:SGK世話人sgktani@gmail.com
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SGK通信(2011-05)上智大学数理科学講演会

今年も「数学月間」参加プログラムとして,次の講演会が開催されます.
上智大学数理科学講演会 「数学と実験」
上智大学理工学部/情報理工学科/数学科 共催
 
日時: 2011年7月30日(土)13:30-17:00
場所: 上智大学9号館3階 353教室
htttp://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/campusmap_yotsuya

• 13:30-15:00 宮本 裕一郎 (上智大学理工学部准教授)
最短経路の話
日常生活の中で,例えば家から職場まで移動するときなど,人は無意識のうちに最短の経路を探ります.他にも良い経路を選択する場面はたくさんありますが,その裏に数理的なカラクリや意外な応用があることはあまり知られていません.そういったことを,簡単な演習問題なども交えつつ,お話ししたいと思います.そして,実際のデータを用いた実験が理論につながることも多いということを感じ取っていただければと思います.キーワードはグラフ理論,アルゴリズム理論,最適化理論といった具合です.最後のほうで数理情報分野における最新の話題なども紹介します.
 
• 15:30-17:00 小池 正夫 (九州大学大学院数理学研究院教授)
実験・発見・数学体験
実験数学の話をしましょう. それは, 数学の研究で定理を発見するための1つの方法です.また, 数学を教える際にも応用できる方法でもあります.
実験数学は次の5つのステップから成り立っています.
(1) データを収集します. (2) 規則性、パターンを探します.(3) 推測を数学の言葉で表現します. (4) 更なるデータで推測を検証して,予想を立てます. (5) 予想を証明します.
講演では, 剰余法 2,3,4 の世界のパスカルの三角形を材料にして, 実験数学の5つのステップがどのようなものかを体験してもらう予定です.
 
◎ この講演会は非専門家向で, 一般の方の参加を歓迎します。参加費は無料です。
連絡先: 上智大学理工学部 筱田健一
(Tel: 03-3238-3466, Email: shinoda@sophia.ac.jp
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SGK通信(2011-04)懇話会(7/22)のプログラム

★第7回数学月間懇話会のプログラム
日時●7月22日,14:00-17:00
受付開始 13:30
14:00-14:10 開会挨拶,片瀬豊(SGK)
14:10-15:10 サイバー世界のモデリング,北川源四郎(情報・システム研究機構)
15:20-16:20 量子コンピューティングの考え方,荒井隆(防衛大)
16:30-17:00 今年の米国MAMの話題と日本の原発事故,谷克彦(SGK)
懇親会 17:15から(喫茶にて各自払い)
会場●東京大学(駒場)数理科学研究科棟056教室
最寄り駅●京王井の頭線「駒場東大前」
参加費●無料
問合せ先●日本数学協会,数学月間の会(SGK)
sgktani@gmail.com,谷克彦(SGK世話人)
 
ご参加お待ちしています.
もし出席依頼書が必要な場合には世話人まで御連絡ください.


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