2008年7月の記事一覧
SGK通信2008-18(SGK懇話会によせて4)
数学と基礎科学-----私の言いたかったこと-----
結晶の格子点の配列は有理数の世界です.しかし高次元空間の格子点を我々の3次元空間に射影(原点以外に格子点を乗せないように傾いた空間を選ぶ)すると無理数の世界(準結晶)になります.
我々がどんなに多くの桁数を計測しても,打ち切ったとたんそれは有理数になります(デジタルの世界).この意味では無限の桁数の無理数を測ることはできない.しかし,無理数も含めた実数の世界(アナログの世界)は実在します.
物理量は実数だといいます.波動関数は複素数ですが,電子の存在確率は波動関数の絶対値の2乗で,実数になります.物質にX線をあてた時に観測される散乱スペクトルは,物質中の電子分布密度(正の実数)のFourier変換(これは複素数)の絶対値の2乗(実数)です.これまで複素数の観測法が一般的ではなかったので,複素数量は数学的な概念世界の話で,実態のともなうものは実数と思われました.近年,波動関数でも,散乱スペクトルでも,複素数量(位相の計測)を測定できます.
こうしてみると,数学概念の対応が,物理世界にもすべてあるように思えます.我々の宇宙は数学を模倣しているというのは,きっと本当でありましょう.(谷克彦)
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SGK通信2008-19(SGK懇話会資料)
数学月間懇話会(08/07/22)の資料をここにおきます:
1.数学月間(片瀬豊)⇒ KATASE_SGK.pdf
2.ある数学者たちの物語(上野正)⇒ UENO_Fermat001.pdf
3.数学と基礎科学(谷克彦)⇒ TANI_science.pdf
4.特別講演:秘法−数学的オブジェの照明(岡本和夫,河野俊丈)⇒ KOHNO_models.pdf
当日の写真アルバムのリンクは,SGK通信2008-13 の最下段にあります.
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SGK通信2008-17(SGK懇話会によせて3)
竹内淳実氏にピタゴラス数の求め方を投稿していただきました.
−−−上野正氏の講演にもピタゴラス数の算出式がでてきました.
ここでは,竹内淳実氏が考えた簡潔な説明方法を紹介します.−−−
ここでは,竹内淳実氏が考えた簡潔な説明方法を紹介します.−−−
因数分解ができれば,簡単に理解でき,中高生の教材としての展開にも良いようです.
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SGK通信2008-15(SGK懇話会によせて1)
SGK懇話会では質疑の時間がとれませんでしたが,
ご参加いただいた方々から,種々のコメントを戴いております.
”SGK懇話会によせて”として,順次掲載していきます.
このSGK通信も多くの方に読まれていることがわかりました.
ご意見,コメント何でもお寄せください.意見交換の輪を広げていきましょう.
SGK世話人:谷まで sgktani@gmail.com
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★SGK懇話会によせて1
数学の重要性を誰もが認めるが,なかなか協力関係がなりたたないという話がありました。その理由には,一般の人々が数学を敬遠することもありますが,同時に,数学者が一般に向けて数学をわかりやすく説明することを怠っている(あるいは、わかりやすさに価値を認めない?)こともあると思います。(高木隆司氏)
高木隆司氏の最近の著書に,
「理科」「数学」が好きになる 楽しい数理実験
発行年月日:2008/06/20
サイズ:A5判 ページ数:190 ISBN:978-4-06-153137-6
定価(税込):2,520円
があります.私も興味深く読みましたが,内容は種々の形に関する実験を取り上げ,生徒にも明解にわかる本質をついた数学説明があります.
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SGK通信2008-16(SGK懇話会によせて2)
数学月間に望みて,竹内淳実氏の詠みたる七言絶句(二題)「関孝和三百年忌」「聞米国数学月間有感」,および律詩(一題)「宇宙実験棟「希望」」,ここに掲載す.
関孝和三百年忌 平成二十年七月
元禄百花斎放殊 元禄百花斉しく放いて殊なり
算家互競遺題図 算家互いに競い題を遺んと図る
泰西学海未波及 泰西の学海未だ波及せざるに
何為関心相似乎 何為れぞ関心相似たる乎 (全部見るのはここ)⇒ 詠科学.pdf
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