数学月間の会

SGK通信2007-04(数学月間広報)

数学月間とは何か

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(phase1)数学的課題の抽出:
数学は応用に起源を持つ.各方面から新しい数学が必要とされる.
(phase2)純粋数学研究:
抽出された数学課題は,その本質の探究が行われ,純粋数学の理論体系が出来上がる.
(phase3)諸科学への数学適用:
純粋数学の成果は,後年,さまざまな分野に応用される.
phase1→phase2→phase3の螺旋状に,数学は発展してきた.

◇螺旋のピッチ方向(発展の歴史)の活動は,教育や啓蒙に係わる.
・数学体系を教育するAの部分は,大学や学校の数学教育や講習会である.
・数学が応用される分野や社会に視点を置いたB の部分は,啓蒙(数学月間活動)である.

・Aでは,数学理論の美しさや,パズルを楽しむなどもあるが,限られた講義時間の中で,その数学の起源背景や応用まで言及されることはほとんどない.
・Bでは,我々を身近に支える数学を見えるようにする.数学が応用される社会/関連領域から数学を見る.数学が身近なものに思えることを狙う.
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 数学は,社会の種々の分野で使われており,社会を支えているにもかかわらず,「数学を使ったことがない」と大人が平然と数学を軽視する.字が書けないのは恥だが数学を知らないのは恥でないとする社会や家庭は,子供の数学軽視を助長している.数学が役立たずではないと,啓蒙活動を行う必要がある.数学月間の対象は,学校教育より広い対象に向けられる.
 最先端の数理融合研究の推進には,足元を固めることも忘れてはならない.啓蒙活動は研究活動のように具体的な成果を得ることは出来ないが,継続的な地道な活動が必要である.また,種々の境界領域から数学を見る幅広い視点が必要である.数学が理科系文科系を問わずあらゆる分野で活躍している様を知るのは楽しいことでもある.
 数学月間活動への,幅広い分野の皆様のご理解ご協力をお願いいたします.(Tani)
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