2006年6月の記事一覧

mam1991

数学強調週間 ( MAW )――4月21〜27日, 1991年

 「 Mathematics:It's Fundamental/数学:それは基本である 」

我々は読んだり書いたり,効果的に意志疎通ができる読み書き能力が重要である事を知っている.職場において読み書き能力がいかに重要であるかは,我々にとって既に明らかである.計算する能力がある事は,これ又同様に重要である.この社会において数を扱う才覚がある事が教育を受けた人にとって枢要だとは見られていないかも知れないが.
事実,これと正反対の場合が往々にしてあり,こらは残念ながら本当である.多くの米国人は数学を扱うのが不得手な事を心情的にとはいえ許容し得るものと見なしている.更に悪い事に我々は数理に強い事が重要ではなく,むしろ浪費的没入であり退屈な技能に過ぎないとする思潮の中で,このような国家的問題点を単純な算数の問題と勘違いしてごっちゃにしている.
数学が科学技術の言葉であるという事から目をそらせたいという我々国民の意向は,今や悲惨な結果をもたらしつつある.二三の例を引いてみよう.8学年次の数学能力達成度の国際比較において,最近の米国の学生は20ヶ国中の14位にランクされた.現在数学を学びつつある4百万人強の10学年次学生の内,僅か約8分の1或いは50万人だけが高校を卒業する時点で,何らかの数学に関係ある職業に従事する事に関心を持っているという.昨年度に米国の高等教育機関から,数学の博士号を受けた人のうち米国市民は半数以下であった.その数値は 43%で かってない最低記録であった.更に米国市民が受けた数学博士号のうち女子は22%に過ぎなかった.
 理数的能力について我々が子供や,学生,同僚教職者に伝えているやり方は,我々の国家的文化の一部である.もしその文化が数学的な興味や才覚,抽象的な考え方を反映するものであるなら,そこで始めて我々は社会における科学技術的読み書き能力を鼓舞する事になるであろう.
4月の最終週は数学強調週間である.この期間中,数学者達は数学の価値を宣揚するため全国的に種々の活動に参加する.レ−ガン大統領は1986年に公式宣誓書に署名して数学強調週間を宣布した.
 この週には全国の学校の教室で,数学者達が若い女性や未成年期の学生に数学を推奨するための特別な活動に参加する.大学の構内においては,より多くの数学専攻生を学部へ勧誘するための特別行事もある.そして各州においては知事,市長その他公選役職者が式典を称え宣言書に署名する.
PTA全国組織は昨年 米国人学生が数学から逃避しようとする様々な恐怖症に対処して,対策を考えたり話し合うため地方のグル−プを支援し,数学に関する素材資料集を全国6万のPTAに配布した.70個の簡単な活動事例集“数学の本質:子供達はあなたを頼りにしている”が多数の要望があってスペイン語で出版された.
子供達は我々を頼りにしている.我々は米国の子供達が他の国の子供達と同等の能力を持っていると思っている.彼等は一般的に数学が良く出来ないが,それは彼等が数学教程を充分に受けていないためであり 又その教科が充分に早く進まないからである.しかしながら数学を親近化するための計画は驚く程の成功を収め 更に拡がりを呼んでいる.
数学強調週間中は 科学や技術や管理業務の職業にあって,その基礎としての数理的な能力の重要性を強調するために一緒に活動しようではないか.ブッシュ大統領は最近我々に向かって来る2000年迄に科学と数学において卓越出来るよう重ねて要請した.1991年はこのゴ−ルに向けて活動を始める意義ある年であり,我々は次の世紀の科学世界や職場に向け更なる準備をすべきである.
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