数学月間の会

SGK通信2008-11(数学月間懇話会−数学的オブジェ写真)

東京大学大学院数理科学研究科所蔵の石膏幾何学模型は,19世紀末から20世紀初めにドイツで製作され,1910年代頃に輸入されたものである.今回,東芝ライテックなどの協力で,LED照明がなされた3点の模型は,いずれも負の定曲率曲面である.
(1)                                                (2)                                                     (3)
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(1)  クエン曲面,負の定曲率曲面
ガウス曲率がいたるところ負の一定値をとる曲面の中で,最も複雑なパラメータ表示をもつものの一つである.曲面は自己交差をもつ形で3次元ユークリッド空間にはめこまれている.

(2) 回転面として得られる双曲面型の負の定曲率曲面
回転面として表される負の定曲率曲面には3通りのタイプがあることが知られていて,それぞれ,擬球,双曲型,円錐型とよばれている.この曲面は,その一つである双曲型の回転面である.

(3) ディニ曲面,負の定曲率の一般化されたヘリコイド曲面
トラクトリックスとよばれる曲線を回転すると負の定曲率曲面の典型的な例である擬球が得られるが,この曲面はトラクトリックスをらせんに沿って移動して得られるヘリコイド曲面である.
-------解説:河野俊丈(東大)
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