数学月間の会

「美しい幾何学」の紹介

日刊ベリタに紹介された記事の要旨です.

9月9日に発売となるこの図鑑(「美しい幾何学」技術評論社)には美しい図形や不思議な図形がたくさん出てきます。そのような図形の仕組みを「見ているだけで理解できるように」したいのです。数式を使えば正確な説明が楽にできますが,そのためには,たくさんの数学準備の回り道があり,焦点がぼけてしまいます。小学生から大学生まで,本書の図を眺めているうちに,図形に隠された仕組みが自ずとわかることを狙いました。普通の数学書のように抽象的な記述だけで終始しません。
内容には大学の専門課程レベルのものもあり,初めはわからないこともあるでしょうが,何度も図を見ていると,不思議なことに理解できる時がきっと訪れるはずです。

実はこの本の各章は,万華鏡で繋がっているのです.1,2章は有限図形,3,4章は周期的な空間,5章は万華鏡,6章は円による反転という数学的な鏡,7章はフラクタル操作という数学的な鏡,8章はイスラミック・デザインの特徴を鑑賞します.それは,黄金比が多く,かつ,局所的に高い対称性がちりばめられた周期平面なので,あたかも我々の住む3次元に高次元宇宙が投影されているような不思議さが魅力です.数式は極力減らしたので,楽しめると思います.


 

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