数学月間の会

SGK通信(2011-07)上智大学数理科学講演会報告

上智大学数理科学講演会 「数学と実験」
上智大学理工学部/情報理工学科/数学科 共催
本日(7月30日)は上記講演会に参加しました.以下報告です:
手を動かし楽しめる講演会でした.
 
1.筱田健一教授(上智大学理工学部) 挨拶
 
2.宮本 裕一郎 (上智大学理工学部准教授)
ハノイの塔の状態遷移グラフを作りアルゴリズムを理解します.円板数が1つ増えるだびに繰り込まれていくフラクタル構造のグラフが得られます.
通貨変換による最大利得を得る経路.輸送経路解析は均衡流の状態に注目.
Braessのパラドックス(最短経路をみんなで取り合う)などを学習しました.
最短経路の計算方法では,ベルマン・フォード法,ダイクストラ法が紹介された.
今日の社会では,グーグル検索をはじめとして,グラフ理論やコンピュータが活躍します.
離散数学に親しめ楽しいものでした.
  
3.小池 正夫 (九州大学大学院数理学研究院教授)
実験・発見・数学体験の過程を体験します,数学教育法にも利用できます.
剰余法(mod)2,3,4の世界でパスカルの3角形を作り,数字配列の規則を見出すのが課題です.
素数を法とする2,3の場合は,規則が見出し易いですが,
4を法とする世界では,これがなかなか難しいです.
実験で2次元の数字の配列を得たとすると,すぐに2次元Fourier分解などしてしまいませんか?
それが私などの常識ですが,数学では配列全体をじっと眺めて規則を見出すのです.
規則が発見できると楽しいです.
データを見てFourier成分に分析するのではなく,データ全体の型を見て特性を分類しようとした寺田寅彦を思いだしました.
 
谷克彦
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